つまらないけんかがまねいた「けんかの代償」とは?
てんぐのけんか
5巻
りとうようい・文絵
『てんぐのけんか』は、奈良県に伝わる民話です。
大和国(いまの奈良県)と伊賀国(いまの三重県)が舞台となっており、二つの山にすむ天狗が些細なことでけんかして、その結果、みどり豊かな伊賀国の山が、はげ山になったというお話です。
つまらないけんかが、とんでもない事態をまねくということをユーモラスに描いています。
青天狗は、怒りにまかせた行動で青々とした山を失ってしまいました。赤天狗のほうも、自分の山は豊かになったものの、へとへとに疲れ切ってしまいます。
大なり小なり、けんかには代償がつきものです。頭にくることがあっても、冷静になって問題を解決する力がそなわっていたら、結果はちがってくるのかもしれませんね。
1979年奈良県生まれ。大阪デザイナー専門学校卒業。絵本に『べんべけ ざばばん』『どうじょ どうじょ』(いずれも絵本館)『ぴと!』『タタタタ』(いずれも鈴木出版)など。独特の世界観をダイナミックな筆致と鮮やかな色で表現した作品が注目されている。
今作が初めての紙芝居となる。